4時すぎに会社を出た。空には既に月が出ている。半月だ。ハンゲツ。
ついこの間まで鋭い三日月だったのに、今はお腹を膨らませ、どことなく可笑しい。
弟クン(3歳)の口から出てくる言葉は特別だ。
昨日の昼間、弟クンが空を見上げて何か言った。
「○✕!」
「なぁに?」
「ツキ!」
「あっ、半月ね。よく見つけたね、あれは満月の半分、半月というの」
一度教えた言葉を夕方には自分から「ハンゲツ!」と言って月を指差した。
そして弟クンは言った。
「満月、三日月、ハンゲツ!」
一つの言葉から仲間の言葉を言う。
お兄ち