思い出の京都~真如堂 1

真如堂は、左京区浄土寺真如町にある天台宗の寺院で、正式名称は真正極楽寺といいます。山号は鈴聲山、本尊は阿弥陀如来、開基(創立者)は戒算です。
984(永観2)年、比叡山の僧である戒算が夢告により、比叡山常行堂の本尊阿弥陀如来を東三条院詮子(一条天皇生母)の離宮に安置したのが始まりです(「真如堂縁起」)。992(正暦3)年一条天皇の勅許を得て本堂が創建されたといいます。不断念仏の道場として念仏行者や庶民、特に女性の信仰を得てきました。しかし応仁の乱をはじめ度重なる火災により堂塔は焼失しました。その後足利将軍家や豊臣秀吉により京都市内の何カ所かを転々としたのち、1693(元禄6)年、現在の場所に再建されました。
涅槃の庭と呼ばれる、この枯山水の庭は、1988(昭和63)年、曽根三郎氏によって作庭されました。大文字山を借景に、向かって左(北)を頭にしたお釈迦さまが右脇を下にして横たわり、その回りを弟子や生類たちが囲んで嘆き悲しんでいる様子が、石によって表現されています。

撮影:2018(平成30)年12月15日

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