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よくあるご質問

10月、国立劇場、歌舞伎座

歌舞伎ファンに投稿が途切れてしまっているので、
拙稿を投稿します。





れいげんかめやまほこ

 国立劇場 

霊験亀山鉾   亀山の仇討


 四世鶴屋南北(1755〜1829)の作である。元禄十四年(一七〇一)信州小諸の家中、石井源蔵・半蔵兄弟が父と長兄を殺されてから二十七年の艱難辛苦を経て、伊勢亀山城下で仇討ちしたという。この「亀山の仇討ち」は芝居の格好の題材になり様々な作品が生まれた。南北は四作品を書き下ろしている。その中の一つ『霊験亀山鉾』は文政五年(1822)七月江戸・河原崎座で初演され、仇討ちものの傑作として評価が高い。

 十月国立劇場は片岡仁左衛門が敵役藤田水右衛門など二役に挑み、通し狂言として上演された。

 剣術の試合に敗れた腹いせに遠州浜松の家中・石井右内を闇討ちにした浪人・藤田水右衛門。仇討ちに来た石井家とその所縁の人々ー石井源之丞などを卑怯な手段で返り討ちにする。遺された源之丞の妻お松、倅源次郎などは亀山城下にある曽我八幡宮の祭礼の日、水右衛門を打ち取って本懐を遂げる。

 次々と返り討ちにする主人公・水右衛門の徹底した強悪非道の徹底した冷血漢ぶりが見どころである。

 芝居では藤田水右衛門を敵と狙う石井一族が次々に返り討ちにあっていく。水右衛門は策略を巡らし、毒や落とし穴など強悪非情で残虐、残忍に殺していく。           

 仁左衛門は七五調の小気味好いセリフ術で水右衛門を演じる。見せ場は八郎兵衛と早替わりで演じる二幕目、焼場(やきば)の場。中でも燃える棺桶からの登場は驚かされる。本水の雨が降り残虐な殺戮が行われる場である。舞台で陰惨な殺戮が行われても、悲惨とは思わせない。これは歌舞伎の芸か。

 仁左衛門が圧倒的に良い。周りも堅くて、中村錦之助の石井源之丞はベテランで安定感がある。中村又五郎の石井兵助と下部袖助はきっちりした演技、上村(かみむら)吉弥の丹波屋おりきは敵役ながらきれいに見せる。中村雀右衛門の芸者おつまは焼場でおりきと壮絶な殺し合いを演しる。

 大詰、卑怯な策略を重ねて石井一族を次々に殺してきた水右衛門、亀山八幡宮の祭礼の日、ついに石井側の策略にはまり打ち果たされる。

「本日これ切り」







きわめつけインドでん、マハーバーラタせんき

 歌舞伎座

極付印度伝・マハーバーラタ戦記  

 十月歌舞伎座昼の部は、古代インド神話の叙事詩マハーバーラタを元にした新作歌舞伎「極付印度伝・マハーバーラタ戦記」を観劇した。

マハーバーラタはインドの神話的叙事詩として、ギリシャの「イーリアス」「オデユッセイ」と並ぶ世界三大叙事詩の一つに数えられるという。要約不能といわれる長大な物語。

 「マハーバーラタ戦記」は、青木豪が脚本、宮城聡の演出で菊五郎劇団が歌舞伎化した。日本には叙事詩という分野はあまり馴染みがない。マハーバーラタ戦記という物語の名前を聞くのも初めてである。菊五郎劇団は十二年前シエークスピアの「NINAGAWA十二夜」を蜷川幸雄の演出で歌舞伎化し、劇団の財産にしている。

 マハーは「偉大な」という意味、バーラタは「バラタ族」を表す。バラタ族の激烈な争いを軸に物語が進行する。

 物語は5〜6世紀書かれたとは思えないほど現代に通じる。神々が密接に関わり、道徳、哲学、宗教を交えながら、神々の世界から人間界を見つめる。血の繋がりのある二つの勢力が権力争いをし、絶望的な大戦に向かっていく、人間の愚かさを巧みに描き出す。

 昼の部はこの長編一本。欲望、愛情、希望、失意といった人間の姿が単純化されて織り込まれ、分かりやすいいのが良い。所作と扮装や衣装、人物を歌舞伎化したことで明快になった。そのまま歌舞伎の人物描写になっている。尾上菊之助の主人公は気品がある。相手役の尾上松也も端正である。尾上菊五郎、市川左団次、坂東楽善などベテラン役者の古代インドの神々は会話しながら人間界を見下ろし人の行末を暗示し味わいがある。中村七之助の王位を狙う王女役は闊達、取り立てて良く目をみはらせる。

 音楽は黒御簾の長唄、義太夫に加え、パーカッショングループが参加し賑やか。戦争場面の迫力は大勢の出演者で迫ってくるものがあった。

コメント

練マダムさん

2017年11月04日 18:57

極付印度伝
どんな世界も歌舞伎仕上げになるんだーと興味深く観ました。
衣装や背景も独創的でしたね。

インドの神話は知らないけど、乙女の身体を借りて神の子を生ませるとか、運命を握る子を川に流すとか、どっかで聞いた話です。 どっちが先かしりませんが。

キーさん

2017年11月04日 11:11

私も両方とも楽しめました。仁左衛門様のカッコよさ。うっとり垂涎ものでした。マハーバラタは私は七之助に感動。よかったわ。

まっちゃんさん

2017年11月04日 05:57

両劇場共、楽しく観劇しました。思い出しましたよ。私は最近、「日記」に書いてますのでこの欄は御無沙汰してます。検索して読んでみてください。