三代目猿之助の市川猿翁さん逝去の報に接して、悲しみに浸っている一人です。思えば、私が歌舞伎を見始めた頃(1985年=S60)から歌舞伎座の7・12月の「猿之助奮闘公演」に通ったものです。とにかくエネルギッシュな舞台だったことが、走馬灯の如く目に浮かびます。「義経千本桜」の狐忠信の件り(四の切)がとても印象的でしたが、これは歌舞伎好きの皆さんはご存知の通り。
舞踊では「黒塚」、これも幕見で何回も見ました。器用な人でしたから、何をやってもソツなくこなしました。その彼も病には勝てず、この20年ばかりは四代目猿之助襲名披露公演(ニ代目猿翁)での弱々しい舞台姿に痛