古仏の話Ⅷ - 根津美術館 観心寺伝来戊午年光背 -


東京青山にある根津美術館の所蔵品の中に、下記内容の造像銘のある光背があります。
 戊午年十二月為命過治
 伊之沙古而其妻名汗麻
 尾古敬造弥陀仏像以
 此功徳願過住其夫
 及以七世父母生々世々恒生
 浄土乃至法界衆生
 悉同比願耳
この『戊午年』は、斉明天皇4年(658年)にあたると考えられ、飛鳥白鳳期の造像銘記が残されている重要な作例となっています。また、銘文中の『弥陀仏』は、日本国内での『阿弥陀』の初出とされています。
この光背は、大阪府河内長野市の観心寺に4躯遺されている小金銅仏像の一つで、像高33cmの飛鳥白鳳期の小金銅仏像である観音菩薩立像の