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よくあるご質問

ギャンブリング・ダブルとギャンブリング・リダブル

BBOの競技会が生ブリッジの競技会と大きく異なる要素として、ランニングスコアがラウンド毎に表示されるという特徴がある。したがって、現在のポジションを的確に把握できると言うメリットがある。
生ブリッジの場合にはこれは全く存在しない機能なので、自分自身の勘を頼りに、「今日はお貰いがたくさんあったから良いスコアかなぁ。」とか、「ディザスターを連発したから今日は入賞は無理かなぁ。」などと言う曖昧な自己評価しかできないことになってしまう。囲碁では盤面をよく見て目算すれば、「盤面では勝っていそうだけれど、コミは出せそうもないなぁ。」などと言うかなり微細なことまで把握できるのと大きな違いだろう。

Ⅰ.BBOのMP戦に於けるギャンブリング・ダブル
BBOではボード数が少ない短期決戦型の競技会がたくさん開催されると言う特徴がある。このような競技会でも入賞は上位35%+αであることは生ブリッジとは変わりはない。
そこで、HCBL@BBOインターネットウイークリーの8ボード戦を例として説明してみたいと思う。8ボード戦では、各々のボードが最終結果の12.5%の重みを持つことになる。つまり12.5点満点のテストを8回実施して、その合計点で成績がつくようなものと言えるだろう。各ボード0.00%のスコアは0点分、50.00%のスコアは6.25点分、100.00%のスコアは12.5点分だけ最終成績に加算されると考えることもできるだろう。
各ボードのパーセントを素点と考えれば、8ボード戦は800点満点のテストを受けている考えることができるだろう。各ラウンド2ボードなのでラウンド別に考えるならば200点満点のテストを4回受けたと考えることもできる。ラウンド毎に考えた方が優れている理由は、ランニングスコアがラウンド終了時(そのラウンドの1番遅いテーブルがプレイを終了した段階で)に公表されるからである。
アベレージの人はこのテストでちょうど400点を取った人だと言えるだろう。これでは到底入賞は無理なのでもっと良い成績を取らなければならない。53%が入賞の最低ライン(20~26ボード戦だと常にこのあたりに落ち着くものだが、8ボード戦では55%を取っても入賞できないこともある)だと仮定するならな424点が必要だと言うことになる。ここから逆算するならば、4R中3Rが終了した時点で224点未満の人は、それからどんなに頑張っても入賞は不可能だと言えるだろう。
更に考察を重ねれば、対戦相手もいる競技ブリッジと言うゲームで(相手も好スコアを目指して向かってくる訳だから)最終ラウンドで200点満点で200点を取ろうと考えるのはかなり虫の良い話で、現実的には160点も取れたら御の字と言えるだろう。これらの事実を踏まえると、
★3R終了時点で224~264点程度の人は、最終ラウンドでは大博打を打ってボロ儲けを目指さない限りは、入賞は覚束ない。
ことになるだろう。これは私がギャンブリング・ダブルを考案した理由である。

それでは、具体的にどのような状況でダブルを掛けたらよいのか見ていくことにする。

①グランドスラムに対するダブル
スーツコントラクトに対して、トランプトリックを持っていたとしたら是非ダブルをするべきだろう。
例えばこんなケースである。オポーネントはキュービッドを重ねながら自信満々に7Sに到達した状況で、ディフェンダーの一人が下記のようなハンドを持っていたとする。
S:JT98
H:432
D:432
C:432
S8は確実にウイナーになりそうなカードであり、S8が勝つ限り7Sがメイクできないことは自明だろう。臆病な性格のプレイヤーは、「このハンドでペナルティダブルを掛けて7NTに逃げられたら困る。」などと余計な心配をしがちなものだ。しかし、このハンドでダブルを掛けてもオポーネントが7NTに逃げるか逃げないかは何とも言えない。7Sがスタンドするならば、+50点の稼ぎは+100点に、+100点の稼ぎは+200点に確実に増える。このチャンスを見逃す道理は無い。最終ラウンドで荒稼ぎが必要な状況ではダブルを掛ける一手だろう。7NTに逃げられたらその時はその時だと腹をくくるべきで、私は7NTに逃げたオポーネントに対しては再度ダブルを掛けて決着をつけにいくことにしている。7NTがダブルメークされて0.00%のスコアになったとしても、元々入賞するチャンスは小さかったのだから仕方がないと割り切って考えるべきだと思われる。

②競り合い時のダブル
オポーネントが確実にフィットがある2の代のコントラクトをプレイしようとしていたら断固バランシングして押し上げに行くべきだろう。例えば、(1S)-P-(2S)-P;(P)-?などとなった状況である。その結果コントラクトを買い取ることができたら、スウィング発生のチャンスを得たことになる。オポーネントがコントラクトを売りたくないと考えて3Sでコントラクトを買い戻しにきたら、ギャンブリング・ダブルを発動する絶好のチャンスに遭遇したことを意味する。3Sは背伸びをしたぎりぎりのコントラクトであるケースが大部分なので丁半博打を挑む気持ちでペナルティダブルを掛けてディフェンスするのがよいだろう。

③ポジション良しのダブル
特定のスートをビッドしたオポーネントの背後でそのスートを持っていたら「ポジション良し」と言えるだろう。いくらポジション良しでも、オポーネントにアナーを潤沢に持たれていたら物量で圧倒されてコントラクトを作られてしまうのはよくある話だ。それでオポーネントのアナー状況に余裕が無いことを確認できている場合が望ましい。
例えば、こんな状況である。
(1D)-P-(1H)-P;(1S)-P-(2H)-P;(2NT)-P-(P)-?
オポーネントはアナー状況に余裕があるならば3NTをビッドしたと思われるので、二人合わせて高々23HCP程度以下しか持っていないだろう。
S:xx
H:KJTxx
D:xx
C:AJxx
ダミーの6枚以上のハートスートの背後でよいハートスートを持っていて、ハートのエスタブリッシュは困難だろうと思われる。このような状況に於いては、2NTに対して断固ペナルティダブルを掛けるべきだろう。

④オポーネントの1NTオーバーコールに対するペナルティダブル
例えばこのような状況である、1H-(1NT)-?
10HCP以上持っていて、かつ、良いオープニングリードがあるときに限りダブルを掛けるとよい、と言うのが一般的なセオリーになっている。しかし、そんな贅沢を言ってはいられない。パートナーが1stか2ndでオープンしているにならば12HCP以上持っているケースが多いものだ。8HCPも持っているのならば少なくとも半分以上のアナーを味方が持っていることになる。1NTにダブルを掛けて、断固として丁半博打に打って出るべきだろう。

Ⅱ.BBOのMP戦に於けるギャングリング・リダブル
自分たちがメイクする積りでビッドしたコントラクトに対して、オポーネントがペナルティダブルを掛けてきたケースでは、基本的にすべてリダブルで切り返す。アナーの配置が悪くてフィネスが抜けそうだから嫌だなぁ、とか、ブレークが悪くてルーザーが沢山出そうで嫌だなぁ、などと言う気分になりがちなものだが、そうであったとてもそうでなかったとしても、今更過去に為したコールの取り消しはできない。1ダウンでもしたらグッドスコアは期待できないので、メイクした状況で100.00%のスコアを獲得する目的で、決着をつけに行く覚悟でリダブルを掛けるべきだろう。

上記のような努力や工夫をしたからと言って、大幅にMP戦の入賞率が高くなるものでは決してない。とは言え、何もしなければ座して死を待つようなものである。
年単位で考えたときには、エキスパートや上級者表示になっているプレイヤーの多くは、小さい部分でこのようなオリジナルの創意や工夫をすることにより、中級者や初級者よりも高い入賞率をキープできているように思われる。

コメント

nagunatuさん

2021年05月28日 12:18

ギャンブリング・リダブルが実践のテーブルで為された実例は少ない。模範的な実例があるのでそれを題材としてこのリダブルの有効性を紹介したいと思う。
3月6日に開催されたHCBLの10ボード戦(#68996 Pairs hcbl@bbo TOKYO2021 0306-2)のラストボードの10番ボードのことで、私はステディパートナーのfleurlisyさんと組んでこの競技会に参加しており、オークションは以下のよう進んだ。
ギャンブリング・リダブルを掛ける前に、その前提となる状況があったのでまずはそれを紹介することにする。
(1D)-X-(2NT*)-P;
(P)-?
2NT*:ダイヤに5枚以上のサポートを持つ弱いハンド
<私のハンド>
S:AKx
H:KTxx
D:Q
C:AKJTx
当然3Dに逃げると思っていたオポーネントが2NTのスポットで勝負する選択肢を選んだ。私一人で20HCPも持っておりこのジャッジは暴挙に思えた。8ボード目までのランニングスコアが35.34%だったこともあり、ノンダブルで+100点や+200点を稼いでも焼け石に水なので、2NTにダブルを掛ける決断をした。するとオークションは以下のように進んだ。
(1D)-X-(2NT*)-P;
(P)-X-(3D)-P:
(P)-X-(P)-3S;
(P)-4S-(P)-P;
(x)-?
2NTをノンダブルでディフェンスすれば確実なプラススコアが期待できた状況で、小利に甘んじること無く大量得点を目指した以上は、4Sがダウンしてグッドスコアになる道理はない。入賞を目指している以上は4Sがダブルメークすることは前提条件になるだろう。メイクするならば、ダブルメークよりもリダブルメークの方が良いに決まっている。このようにロジックを組み立てた後に、私はリダブルの決断をした。

【結論】
この競技会では最初の8ボードの出遅れが致命的で入賞のチャンスは無かったが、このギャンブリング・リダブルが首尾よく成功して100.00%のスコアを獲得できていたと仮定したら、最終成績が48.27%に上昇して、18位/30ペアになっていたところだった。

nagunatuさん

2021年05月25日 15:34

5月11日に開催されたHCBLの8ボード戦(#95174 Pairs hcbl@bbo TOKYO2021 0511)のラス前の7番ボードで、ギャンブリング・ダブルが実践されたボードがあるので、このボードを題材として解説してみたいと思う。
私はステディパートナーのfleurlisyさんと組んでこの競技会に参加しており、オークションは以下のよう進んだ。
(1D)-1S-(X)-2S;
(3H)-3S-(4H)-P;
(P)-?
<私のハンド>
S:AQxxx
H:Jxx
D:AT
C:T9x
私はほとんど1Sオープンできるぐらいにバリューがあるハンドで1Sオーバーコールをしたところ、オポーネントはネガティブダブルを掛けてきて競り合いになり、
パートナーが6~9点バリューを示しているにも係わらずこれを無視して、4Hまでビッドされてしまった。オープナーの3Hレイズは、ミニマムのオープンハンドでも4枚のハートのサポートが有ればビッドされる状況であることもあり、私はここでギャンブリング・ダブルを掛ける決断をした。

【結論】
この競技会では最初の6ボードの出遅れが致命的で入賞のチャンスは無かったが、このギャンブリング・ダブルが首尾よく成功して100.00%のスコアを獲得できていたと仮定したら、最終成績が42.93%に上昇して、ブービーメーカー争いから脱出して37位/46ペアになっていたところだった。

nagunatuさん

2021年05月24日 13:21

先週の火曜日に開催されたHCBLの8ボード戦(#56191 Pairs Hcbl@Bbo TOKYO2021 0518)のラストボードで、ギャンブリングダブルが実践されたボードがあるので、このボードを題材として解説してみたいと思う。
私はステディパートナーのfleurlisyさんと組んでこの競技会に参加しており、オークションは以下のようにんでいた。
(P)-1D-(P)-1S;
(2C)-X-(3C)-3D;
(P)-3S-(4C)-?
<私のハンド>
S:QJTx
H:Qxx
D:Jxxxx
C:x
パストハンドのWが2Cオーバーコールしてから、それまでパスしかしなかったEが過激に競り合いオポーネントのコントラクトは4Cまで競り上がって行った。ノンバルなので4Cを1ダウンさせても+50点、2ダウンさせても+100点の稼ぎにしかならない。この程度の稼ぎでは、到底トップボード確実だとは言えないだろう。最初の3Rの稼ぎが少なかったこともあり、私はギャンブリングダブルを掛ける決断をした、

【結論】
この競技会の入賞ラインが55.99%と高かった為に結果的にはこのボードの結果が如何なるものになっても入賞のチャンスは無かったが、このギャンブリングダブルが首尾よく成功して100.00%のスコアを獲得できていたと仮定したら、最終成績が52.09%に上昇して、21位/50ペアになっていたところだった。