曼珠沙華

葉が枯れて寂しくなったら
真っ赤に草の中から咲きだした
曼珠沙華
葉は花を思ったのでしょうね

去ってしまった人は
置いてきた人を思うのだろうか
何も残さずに秋風とともに去った
赤く染めて曼珠沙華は
その心を見ていたのだろうか
恋みれんというのかしら

秋風が寂しい
彼岸花が風に揺られながら
花首が空になびく

曼珠沙華は終わった恋を
風になびかせて咲く