意識のない父

春雪が髪に落ちる

点滴の音が聞こえてくるような

そんな雪の日の部屋

何も語らなくなった父

顔は

昔の元気な顔が痩せて

面影が無くなってくる

思い出だけが通り過ぎていく

意見の食い違い

生活の食い違い

生き方の食い違い

学歴の食い違い

ものの見方の食い違い

意見があったことは何もなかった

そんな父

いとしいと思えない父の顔

悔しい事。辛い事しか思い出さない

そんな父を看取っている

私。

まるでピエロ