文化座「あかきくちびるあせぬまに」

劇団結成70年記念の末尾を「あかきくちびるあせぬまに」の再演で飾りました。創立者の鈴木光枝が初演で評判をとった作品とは聞いていますが、私は今回の佐々木愛上演で初めて観劇しました。病死した娘の婿が初恋の軍人に似ている設定に驚きましたが、劇の進展を観ていて身近な題材として感じることが多々ありました。連れ合いに伴侶として不足を感じる女性が過去の淡い初恋を心の支えにして生きていく辺りは亡母の一生を連想するに十分でした。
一歩間違うと危ない設定を明るく演じた佐々木愛はさすがの巧伎で、口紅を差すラストは可愛い表情が効果上げました。相手役の白幡大介が的確な演技で厚みと