買い逃した鍔

今はもうありませんが、「愛刀」という通販誌がありまして、ある日掲載の一枚の鍔に心が魅かれました。それが写真の鍔で、無銘 林(又七)とありました。すぐに頭に浮かんだのは、重文の無銘 又七 の 「破扇図鍔」です。
 美術品の意匠に破損した物とか、不完全な物とかが登場するのは、日本人独特の感性ではないかと思います。滅び行く物へ共感というかロマンというか、そんな感覚は、なかなか外国人には理解しがたいものかもしれません。
 さすがに重文は買えませんが、その鍔なら手が届きそうでした。その鍔が掲載されたのは、日本へ帰る2週間ほど前でしたので、日本に着くと早速現金を用意