怪刀兼光

私は、出来るだけ無傷無欠点の刀を買うようにしていますが、時々やむを得ず欠点のあるのを承知で刀を引き取ることもあります。ここに紹介する兼光も事情があって引き取りました。
まず驚くことに「備州長船住兼光」と在銘です。兼光は磨り上げられて、無銘伝兼光となったものが多いのに、しかももっと驚くことには、文和四年八月の裏年期入りです。
兼光在銘で裏年期のあるのは、ほとんど短刀に限られており、もし太刀であれば重文、重美等の国指定品になっていると思います。従って、この刀は偽物の可能性が高いのですが、長くアメリカにあったもので、未審査なのです。
2尺四寸あり、刃文は兼光で