〜 坂口安吾の『推理小説論』 〜

戦後の一時期、『白痴』『外套と青空』『堕落論』などで無頼派作家として、高い人気を
誇った坂口安吾(1906〜55)が、昭和25年に発表した中編『推理小説論』の中で、ア
ガサ・クリスティーが大胆なアリバイ・トリックを使用した『シタフォードの秘密』を絶賛し
ています。『推理小説論』全文は紹介しきれませんので、その部分だけをご紹介してお
きたいと思います。
 なお安吾は純文学の世界で独自の境地を拓きましたが、昭和22年にはじめての探
偵小説長編『不連続殺人事件』を発表し、以後折りに触れてトリック中心の味のある
短編を十編ほど残しています。

 「〜 クリスチー