ミステリー・ワールド
　　　アガサ・クリスティーの館（やかた）へ、ようこそ！
　
　
　世界に名だたる名探偵のうちで、アガサ・クリスティ
　ーによって命を吹きこまれたエルキュール・ポアロとミ
　ス・マープルの二人ほどに、親しみ深く愛すべきキャラ
　クターはいないでしょう。

　　卵形の頭、大きな口髭、とがったエナメルの靴、
　小さな灰色の脳細胞?を駆使して次々と難事件を解
　決するポアロ・・・、
　『スタイルズ荘の怪事件』『アクロイド殺し』『カーテン』
　etc・・・。
　
　　一方、イギリスの小さな村に住む、この独身のふわ
　ふわした白髪の老婦人には、スコットランド・ヤードの
　腕きき刑事たちも太刀打ち出来ませんでした。
　『火曜クラブ』『牧師館の殺人』『スリーピング・マーダ
　ー』 etc・・・。
　
　この二人と共に〜〜、

　　「あなたは幸せ？でないなら〜」という広告で、悩め
　る人々の依頼に応ずる心の専門医、身上相談探偵の
　パーカー・パイン。
　「中年夫人の事件」「サラリーマンの事件」「高価な真
　珠」「黄色いアイリス」 etc・・・。　
　
　　冒険好きのおしどり探偵の、トミーとタペンス。
　『秘密機関』『NかMか』『親指のうずき』 etc・・・。

　　古いパントマイムの道化役者ハーリ・クインを思わせ
　るふしぎな雰囲気を持つ「色恋」をテーマに恋人たち
　にふりかかる問題を解決する謎の探偵クイン氏。
　「クィン氏登場」「闇の声」「ヘレンの顔」 etc・・・。

　　などなど個性豊な探偵たち！、

　　「・・・・探偵小説って変な本
　セント・メアリ・ミード村の市民権もあっさり買えて
　ミス・マープルとも仲よくなれて
　
　　　　　　　　　おまけに犯人とはご近所づきあい
　　　　　　　　　死体にだって見おぼえがあるぞ
　　　　　　　　　死体にだって見おぼえがあるぞ」　

　　田村隆一の詩『死体にだって見おぼえがあるぞ』
　のエピローグ。