◆S・クレイグ・ザラー
『ノース・ガンソン・ストリートの虐殺』
(真崎義博訳)ハヤカワ文庫/1200円
ミズリー州のありとあらゆる汚物が流れ着く先、それがヴィクトリー。街は荒廃し、瓦礫の山が連なり、暴力と犯罪が横行する、まさにクソ溜めのようなところだった。
ザラーの本作は、この街を舞台に、おそらくかって誰も読んだことがないほどの、凄惨で容赦のない、虐殺と蹂躙の物語が展開する。
事件の始まりは、凍てつく寒さのなか、ふたりの警官が惨殺されたことだった。それも、死後にバッジを奪い、性器を切りとるという残虐きわまりないやり方
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