阿弥陀如来 ―浄土への憧れ―

誰もが知るほとけである“阿弥陀さま”。しかし、阿弥陀如来とは、一体どのようなほとけ様なのでしょうか。おそらく多くの方々は、「極楽浄土にいるほとけ様」という漠然としたイメージをお持ちなのではないでしょうか。阿弥陀如来は飛鳥時代にはすでに信仰されており、平安時代に密教が伝来したのちも尊ばれました。

さらに浄土信仰が盛んになると、極楽往生へと導く救いのほとけとして国中で崇められるようになりました。阿弥陀如来とその信仰は、日本仏教の展開とともに実にさまざまな様相を見せ、仏教美術の柱の一つとなっていったのです。

根津美術館には、コレクションの礎を築いた初代 根