美しい「カナリヤ」が紡いだ再会物語

北海道最北の地、稚内
1983年9月に起こった大韓機撃墜
犠牲者追悼 37回忌

両親を一瞬にして奪われたユウリ(雄梨)
は参列したあと、稚内から特急サロベツで
札幌に向かった

9月にしては真冬のように身が凍るほど
寒い日だった

前日よく眠っていなかったユウリが
ふと眠りから覚めた時だった

「あさひかわ、旭川、次はアサヒカワに停車です
お降りに方は・・・」


アサヒカワということばに
昔、一人旅で立ち寄ったあの日のことが
ふと思い出されて、急にえもいえぬ
懐かしさにむねがいっぱいになった

列車はぐんぐん減速し、ついに停車

その瞬間、ユウリは