【愛知県美術館】『展覧会 岡本太郎』を鑑賞する会のイベントレポート

【愛知県美術館】『展覧会 岡本太郎』を鑑賞する会

岡本太郎の有名な言葉「今日の芸術はうまくあってはならない。きれいであってはならない。心地よくあってはならない」は当時としては、というか、今でも革新的な言葉ですね。

テレビ番組「あめとーーーく」の「絵が下手な芸人」を観たことがあります。たとえば「鉄棒をする人」とか「ミッキーマウス」を描きなさいとかお題が与えられて描くのですが、とんでもない絵ができあがって、それを観てみんなで(私も)げらげら笑うのです。
ケンドーコバヤシさんとか中川翔子さんは絵がうまくて感嘆します。回が重なり、下手な芸人の絵のTシャツができあがりました。するとなんともいえず面白くて味のある絵なのに驚きました。絵の上手い人はあちこちに存在しますが、こんな下手な絵を描く人は世界にひとりでしょう。いわゆる「下手な絵」=価値がないとかそんなんじゃないことがわかりました。

学校の授業では、いかに作品としてととのえるかが重要でしたが、岡本太郎のように「下手でいいむしろ下手に描きなさい」と言われ、通信簿なんかなかったら、絵の時間が今とは別のものになるのではないかと思います。絵を描くとはどういう意味をもつものなのか、考えさせられます。

でも長い間に身についた「うまい絵」が描けなければ描くもんじゃないという姿勢はなかなか直せるものではないですね。

岡本太郎展は「芸術について」いろいろ考える機会を与えてくれて、感慨深い展覧会となりました。