藤沢周平 蝉しぐれ

十数年ぶりに読みなおしました。
圧倒的な筆力。
とくかく文章が美しい。
読みながら頭に流れてくる情景が鮮やか。祭りの灯、嵐の夜、御殿での死闘…、書かれてあることの全てが、一語漏らさず目に浮かぶ。小川の流れに照る日のあつさ、稲の匂いや海坂の湿度まで感じるようでした。登場人物も皆魅力的。

年月の波にもまれながらもなお多くの人に愛され続ける作品。「蝉しぐれ」もそんな作品の一つだと思う。