京野菜/其の(1)
千年の王城の京都は、人・物・情報があまねく集積した我が国最大の都であった。平安京の人口は十数万人と推定され、世界有数の大都市であった。しかし、海から遠い京都盆地への海産物の移入は極めて困難で、朝廷はじめ都の人々の食生活を賄うためにも野菜作りは重要課題であった。
新鮮さが求められる野菜は地元栽培こそ宿命で、野菜生産地としての「洛外」がこうして拓けて行った。このような事情を持つ京都に朝廷や社寺への献上品して全国各地、大陸からも優れた野菜の種や技術、情報が集積し、野菜の品種改良に好影響を及ぼすことになる。
(次回に続きます)
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