京野菜/其の(2)

(前回其の(1)に続いて書いています。

各地の野菜の種が京都にねずくと、京都特有の野菜となって芽が出てきたのであった。例えば伏見稲荷大社が創建された頃に京都に導入されたというねぎが九条ねぎへ。

中国より伝搬された孟宗竹が乙訓のたけのこへ、近江堅田のかぶが聖護院かぶへと、姿、味、風味を変えながら京野菜と育っていった例は枚挙にいとまがない。

これは、京都の気候風土が大いに関係していると専門家は指摘する。「冬はいみじゅう寒き、夏は世に知らず暑さ」と清少納言も閉口するほど、千年の京都も住みにくい土地柄であったようだが。

四季の移り変わりが明確で、昼夜の温