竹西寛子『管絃祭』(1978年/講談社文芸文庫)

斉藤美奈子さんがヒロシマを主題とした小説のとして、大田洋子『屍の街』とともにこの本を紹介していた。『屍の街』の方はタッチの差で借りられてしまっていたので、こちらにした。斉藤さんの紹介文が良かったし、この時期原爆や戦争に関連した小説を読むのもいいかなと思って。

竹西寛子。初めて読む作家さん。名前は知っているが著書を読むのは初めて。わたしが敬愛する辻邦生と対談しているものをずっと前に読んだことがあるが、特別に記憶に残っていることはない。竹西さんについてネットで調べてみると、日本の古典文学にも詳しく、その関係の本をたくさん出されているようである。古典文学とい