村上龍『MISSING 失われているもの』(2020年)

たまに図書館から文芸誌を借りて読むが、文芸誌のいいところはいろいろな作家の最新の小説が読めることだと思う。最近と言うか、この1年くらいで一番面白いと思う作家は金原ひとみさんである。何を読んでも面白い。食べることとダンスの場面が多いが、勢いがあって弾けている。若い女性の自殺願望の話しをニュースで時々聞くが、自殺の前に金原さんの小説を読め、と言いたいほど。その金原さんが季刊誌『文藝』秋季号の責任編集をされていて、その特集が「私小説」で、金原さんが私小説的小説10を選び紹介している。なかなか面白そうな本がリストアップされているのだが(ルシアン・ベルリンの『掃除