電車から降りたとたん「なんだここは!?」と。なぜなら、東京２３区にある鉄道駅とは思えない風景だったからです。駅前にはコンビニ店もなく、周囲は高速道路と堤防と河川敷。耳に響くのは突っ走っていくトラックの排気音です。歩き始めて目に飛び込んできたのは古い木造廃屋。隣接する工場の外壁には大きく《ｋａｎｅｂｏ》と書いてありました。
　出だしから殺伐とした風景でしたが、しかし期待した通りです。そのカオスな雰囲気が取り残されたような平長屋の存在を際立たせていました。

　かつては『紡績の街』として栄えた鐘ヶ淵ですが、今では駅前も寂れてしまった様子です。そこから隅田川