《墨田・東向島レポ》葬られた戦前の古民家

 カネボウの広い駐車場に面した道に、重たそうな瓦を屋根にした木造家屋が二軒並んで建っていました。窓の格子の形状から戦前の家であることは明らか。玄関や門扉も当時を思わせる雰囲気が漂っており、ひと目でとても懐かしい気持ちにさせられました。
 写真にあるその古民家に出会ったのは7月の現地調査でのこと。きっと家族で楽しく暮らしていたのだろう。もしかしたら、鐘紡の工員さんの一家だったのかもしれないなぁ……。
 ところが、9月の現地調査では跡形も無くなっていました。家は取り壊され、更地になっていたのです。「あ~~ぁ、無くなっちゃった」と、「消えてしまったのか」と。