万葉集は何語で書かれている?


1989年に『人麻呂の暗号』(藤村由加)という本が評判になりました。この本のテーマは、「今まで不明とされていた万葉集の中の歌は、朝鮮語で読むと本当の意味がわかる」ということでした。しかしこの本の残念だったところは、ここで言う『朝鮮語』が『現代朝鮮語』だったことです。
同年に日本生まれの韓国人の李寧煕が出版した『もう一つの万葉集』という本がありましたが、こちらもほぼ同じような内容でした。この本では、万葉集の『は』の音をそのまま朝鮮語の『は』に充てている点で、この本の著者が言語学や音韻学どころか、日本語すらも詳しくないことが分かります。日本語の『は(ha)