〝ピアチェンツァから世界に羽ばたく歌手たち〟

 ベッリーニのオペラ『ノルマ』の主役を歌って記憶に残るソプラノと言えば、マリア・カラスを筆頭にモンセラート・カバリエやジョーン・サザーランドが思い出されるだろう。

 彼女らの他にも無論多くの歌手がこの役を演じているのだが、九月ピアチェンツァの市立劇場での主役を演じたのは、アメリカのソプラノ、アンジェラ・ミードであった。
 その声とテクニックを生かしての大好評だったが、特に大きな意味を持つのが「やっと現在を代表するノルマ歌いが登場した」というような内容の報道がいくつか見られたことだ。

 確かに彼女の声は素晴らしいテクニックにも全く不安はない。だが、イタ