横浜の南京墓地そして近くのアパート


「大芝台の信号を越えて、煙草屋の右を曲がって、少し左側・・・」
「これですよ。ほら、ど真ん中に階段がある」
「それにしても見事なシントメリーだ」
「大家さんの趣味なんですよ、きっと」

三畳間の窓を開けると外は南京墓地だ。少し先に地蔵王廟の赤い門が見えた。

ねじめ正一の「荒地の恋」という小説の中の一節。

詩人の北村太郎や田村隆一など実在・出来事に基づいて書かれた。
10年ぐらい前に鈴木京香、豊川悦司のTVドラマで話題になった。

友人の奥さんとの不倫、そして若い女性との恋。
最後、北村太郎がなくなり、告別式の席、その女性に向かって北村の弟が
「北村