おじいちゃんの死

おじいちゃんの死      小学校6年   河合謙介

お父さんの背中が
とても小さく見える。
みんなが帰ってしまった家で
おじいちゃんのお骨の前で
お父さんは 泣いていた。
人前では
なみだ一つ見せなかったのに。

秋晴れの火葬場だったっけ。
あの、おじいちゃんの独特の笑い声。
あの たばこくさい体。
おじいちゃんは
きっと散歩に行ってるんだ。

歯をくいしばっても
なみだが出る。
おれは男だ
と思っても
なみだが出る。
大人はなんで
酒飲んだりして
どんちゃん騒ぎするんだ。
人、一人、死んだんだぞ。
お母さんなんか
目も鼻もまっ赤
声も出ないんだぞ。