幾代餅

古典落語の人情話である。

うろ覚えを承知の上で、あらすじを書いてみる。

若干の間違いはご容赦願いたい。


時は江戸、つき米屋の奉公人で清蔵という男がいた。

曲がったことが大嫌いで、うそのつけない性分である。

この男が、最近仕事に気が入らないので、

主人が問いただすと、「吉原の花魁、幾代太夫に恋わずらい」とうちあけた。

花魁というのは庶民では手の届かない高嶺の花である。

とにかく仕事をさせるために、主人は、

「金がかかるから一年懸命にはたらいて貯めろ」

といい諭し、清蔵は、必死に働いた。


一年たったある日、清蔵は「金はたまったので、