明日は、家内の誕生日だ。
この四十数年、その日を何回忘れたことか。
なのになぜか今年は、
10日も前から、プレゼントを考えた。
「淡いピンクの胡蝶蘭にしようか?」
等と柄にもないことも考えたが、
結局、
バラといちごのタルトになってしまった。
バラは、病院に5本、自宅に5本。
いちごのタルトは、病院に1こ、自宅に1こ持って帰った。
ほとんど食欲のない家内が、
いちごのタルトは、
半分食べてくれた。
食べた後、
「残り半分を明日、持って来て」
と言った。
おいしかったのかもしれない。
嬉しかった。
メモ紙に、大きな字で、
≪いちごのタルト残