素浪人の『万葉集漫談』(183話) …電気も暖房もない暗闇に夜を過ごす人たちへの思い!

(183) 父母が 殿の後方(シリヘ)の ももよ草
         百代(モモヨ)いでませ 我が来るまで
     巻20・4326 生玉部足国(イクタマベノタリクニ)

解説・ 父母が住む母屋の裏に生えている百代草の名前のようにどうか百歳まで長生きしていて下さいよ、私が帰還するまでは。 …静岡県掛川市東部から徴用された防人(サキモリ)の歌です。
 ・殿→建物。
 ・いでませ→居てください。

東北関東大地震で行方不明の身内を探す悲痛な呻きが聞こえて、ふと、夜中に目覚めてしまいますが、古代にも、遠く関東から召しだされて、九州、対馬壱岐の守備に送り込まれ