親父、則子を頼むよ。

昨夜、急に思い立ち、
今日、生まれ故郷の父母のお墓参りに行った。

昨年12月、家内に先立たれてから、
お彼岸にも行けなかった。

父が好きだった菊を供え、
お線香を焚いた。

「親父、永いこと来られなくてごめんよ。
則子がそっちに行ったから、
よろしく頼むよ。
則子は、親父のことを大好きだったもんな。
母さん、今度は仲良くしてくれよな。
親父と母さんの孫や曾孫は、
元気でがんばってるよ」

光明真言を繰り返しながら、
また涙がこぼれてくる。

こぬか雨が、静かに静かに降っていた。

カテゴリ:日常・住まい