想い出が捨てられるものなら

街に灯りが燈り始める頃
帰りを急ぐ人の波に
呑みこまれそうになりながら
ボクは立ちすくんでいた


帰る部屋はあるけど
帰る場所が無い
そんな気持ちがボクの足を止めていた


君からもらったメール
携帯の履歴
君と笑顔の写真は捨てられたとしても
君との想い出はきっと捨てられないだろう




君と過ごした十二個の季節
大切のボクの宝物だった
なのに君の優しさに甘えてばかりで
君の涙に気付けなかった


バカだねって自分を責めて
嘲笑いを繰り返す
暮れた街の灯りが想い出の欠片達を照らす


今も残る後悔や
つまらない意地
ボクの胸に残る痛みは捨てられたとし