四国のお遍路で、
いくつかの山寺にお参りした。
頭に浮かんできたのは、この歌だった。
幾山河こえさりゆかばさびしさの
はてなむ国ぞけふも旅ゆく
(若山牧水が岡山県最北端の中国山地で詠んだ歌だそうだ)
家内の初盆が近くなってきた。
家内が逝ってしまってからまもなく8か月、
こころは容易に整わない。
毎日朝晩、お位牌と遺影に、
「永い間ありがとう」
「ごめんな、かんべんしてよ」
「なんとかやってるからな」
を繰り返すたびに涙がにじむ。
旅立った家内の平安を願って、
四国のお遍路を続けているが、
願いは届くだろうか。
はじめてのお盆だ。