[短歌]    京の洛趣は春待つのみや

[自然]

雪降らず冬の化粧もままならぬ
京の洛趣は春待つのみや

雪降れど染まらぬ道路黒ずみて
白き標識ばかり目に立つ

山茶花の溢れるほどに咲き乱れ
散り落ち作る紅(べに)花の盆

蝋梅の黄々と目覚めて来る春を
ベルをふりふり歓迎してる

まっすぐに背伸びしているメタセコイヤ
生国(くに)を恋してロケットになる

[雑]

鳩すう羽南に向きて首たてる
春をきくかな南の風に

おむつ替えだっこもしたる孫娘
成人式とは、晴れのち曇り

深き夜歌詠みながら空になり
明けて有になり顔洗うなり 

本音秘めスムーズなれる人との和
喜ぶほどに心乾けり

七十路を