ある日、顧客から競売物件の調査を依頼され、海岸沿いにある砂利置場に来ていた。
物件は、持ち主が行方知れずの法的管理物件となっている。
故に、敷地内や事務所等には裁判所の許可なしには立ち入れない。
資料と照らし合わせながら物件を遠めに見回し、そしてこういう場合、＜よからぬ人たち＞が係わっているケースが多いことから近隣の情報収集には念をいれた。
一通り調査を終え、車に向かっていると、２頭の犬（ボクサー）が野太い声で吠えながらこちらに向かってくる。
切れた鎖を引きずりながら牙を剥き出し今にも飛び掛かりそうな体勢に、さすがに、犬好きでも恐怖を感じる。
犬を興奮さ