施餓鬼供養

「男やもめに何とか」よく言ったものだ。
ウジならぬ、鼠が大発生していた。
日曜日に、気が向かない妻を引っ張り出し実家の掃除に出かけた。
実家は、独り身の兄が入院中であるため、2ヶ月余り締めっぱなしだ。
結果、家の中はかび臭く、鼠の糞だらけの惨憺たる状態だった。
妻は、呆れた顔して、どこから手をつけたらいいのか思案に暮れていた。
とりあえず、布団類を虫干して、庭周りを私が受け持ち、妻が家の中を掃除することになった。
そのうち、妻の悲鳴と共に鼠が私の目の前をチョロチョロしだした。
足で踏みつけようとするが、さすがに、すばしっこい。
「なんで、こんなに鼠がいる