30、ホイリゲを楽しむ

ベルヴェデーレ宮殿の最上階の部屋から望むウィーンの街、その手前になだらかに降り下る広い庭園の先には下宮があるが、暑さと疲れのせいか、下宮を見学する気力も失せていた。
 ホテルに戻る途中で「分離派会館」に寄って、再びクリムトの作品をという思いもなかったわけではないが、それにはいささか疲れていた。
 依然として咳も抜けきらず、喉の痛みがあって声もおかしく、体調は思わしくなかったのだ。
 タクシーでホテルに戻ったのは15時をやや過ぎたあたり、30℃を越えた暑さもじわりと身体に応えていた。
 ということで、涼しいロビーでF夫妻と一緒にビールで喉を潤した。
 部屋