加藤泰三の画文集 日記の続編

前日記の続編に入ります。・・・

 「霧の山稜」は、実に楽しい、ユニークな画文集であることにちがいない。
 思えば学生時代、夏のスキー合宿には必ずザックの中に忍ばせて、暇を見つけては読み耽たものであった。
 それは私にとって、厳しい練習の日々から逃れることが出来る、たったひと時の、癒しでもあったのです。

 
 加藤泰三には、独自の登山観があったのでしょうか、後記の閉めに、この様な表現の記述があります。

 [どなたも「自己の山」はお持ちでありましょうが、私もそれを持っております。私は此処で、それを中心にした感情を、自分に出来る範囲の絵と文に託して描きま