「あの、猫の予防接種をお願いしたいんですけど」
「いらっしゃいませ。こちらは初めてですか?」
「あっ、はい」
「それでは、こちらに記入をお願いします」
受付の女性は極めて事務的に問診票を差し出すと
内容の説明をし、それからボールペンを渡してくれた。
問診票を書いて受付に出すと
マスターは待合室のソファに腰を下ろした。
「ちょっと大きかったかな。
チー、居心地はどうだい?」
横に置いたキャリーバッグを覗き込むとチーに声を掛けた。
ここに来る前に急いで買って来たので
大して大きさも気にしなかったけど
さすがに中型犬用のキャリーバッグはチー