「ちーちゃん、ちょっと来てごらん」
居間で宿題をしていたら隣の和室からお母さんの呼ぶ声がした。
「なぁーに?」
すぐに走って行き和室に入るとお母さんがニコニコしながら座っていた。
「おいで」
そう促されて私はお母さんの前にちょこんと座った。
「はい、これ。 どう?」
目の前に置かれたのは新品の浴衣だった。
白地に赤と青の朝顔が描かれていた。
側には黄色い帯と黄色い鼻緒の下駄も一緒に置かれていた。
「わぁー、可愛い!」
「気に入ってくれた?」
「これ私の?」
「そうよ。今度の七夕の時に着させてあげるね」
「わぁーい! お母さんありが