愛と文化は国境を越える(4)日本文化の基礎を作った玄奘三蔵法師のインドへの旅

日本人の考え方の基底には仏教の無常(つねならず)の思想が流れています。それは「もののあわれ」ともなり、私たちの心の基調となっています。

この仏教の教えをはるばるインドへ旅をして持って帰って来たのが唐時代の玄奘三蔵法師でした。現在、日本で読まれているお経のほとんど全ては彼がインドから持ち帰り、漢文に翻訳したものです。そして一部はインドのパーリ語の発音をそのまま漢字で表したものです。

ですから私は玄奘三蔵法師こそ日本文化の産みの親と信じています。彼は602年に生まれ、664年に62歳で亡くなりました。629年に陸路でインドに向かい、巡礼や仏教の研究を行っ