買ったばかりのソフトクリームを、手元が狂い、床に落としてしまった。
まさに覆水盆に返らずだ。
まだひと口も味わっていない。
食べられるソフトクリームの部分だけでも口に入れたい思う。
されど、周囲の目もあり、できかねる。
やがて、ソフトクリームが溶け、床に広がり、跡形もなくなる。
厳密に言えば、この時点で、「覆水盆に返らず」のことわざが当てはまるのである。
覆水盆に返らずを英語で言うと、It is no use crying over spilt milkである。
だから、ミルクのような盆に返すことができない、液体でなければならないからである。