人と人との絆

これも実話です。

 終電車の発車間際に切符なしで飛び乗り、

 車掌さんが回ってきた時に、切符を買おうと財布を

 出そうとしたが、財布がなかった。

小銭入れもない。

どこかで落としたのだろうか。

途方にくれたけれども、その事を正直に

車掌さんに言いました。

「すみません。

明日、必ず営業所まで行きますから、

今日は乗せてください」

ところが、この車掌さん、よほど虫の居所が

悪かったのかどうか、許してくれない。

次の駅で降りろ、と言うのです。

次の駅で降りても家に帰る手段はない。

ホームで寝るにしては、北海道の夜は寒過ぎる