正論 「幕末残酷物語」?

要所要所の演出で、橋蔵さまのこれまでの軌跡とファンへの配慮も手伝ってか、全てにおいてリアルさは極力避けられています。初めての刃傷場面に耐えられず嘔吐する場面もその表情としぐさまで、リアルだったら吐しゃ物まで撮るでしょ。背や額を斬られても、その流される血は残虐的な描き方じゃありませんし。よく見て下さい、抑えに抑えてあるんです。

他の新撰組の面々の殺伐とした雰囲気はメーキャップによく表現されていて、その中で素顔に近い橋蔵さまはその役所によくあった一輪の花のよう。

ラスト、今一度手を取り合って、しかし手は届かぬまま・・という場面、ここにも配慮があります。