連載:年の瀬に思う

静思の時


 "静思の時" PHP誌12月号裏表紙の言葉  2016.12.03

 
  露天の広い湯船にゆったりと浸かり、思い切り手足を伸ばす。風が木々を揺らし、頬を撫でる。”ああ、気持ちいい”。縮こまり、凝り固まった心と体がゆっくり解きほぐされてゆく。
  
  いつ以来だろう、こんなにのんびりするのは。


  思えばこの一年、なんと慌ただしく過ごしてきたことか。立ち止まることなく、目の前のこと、日常の仕事にひたすら取り組んできた。それはそれで充実した日々でではあったが、そのために、多くのものを置き去りにしてきたのも事実。

  しばし沈思の時を持とう。よ