親友が膵臓癌

二人は同じ会社へスポーツ就職した仲です。
伏見のお寺に下宿させられた。
(誰が決めたのか今も解らないです)

暗く広い本堂の廊下を挟んで、渡り廊下の奥には洒落た離れがあり、そこが私達二人の部屋だった。書院もあり、出窓もあり、京都風の坪庭が眺められる素敵な部屋だった。

二人の青春は、違うスポーツではあったが仕事と練習と試合。勝った時の喜びと負けた悔し涙を共有できる親友。
五十年を超えている。

数日前から彼女の声が無性に聞きたかった。

☆彡「私もお電話しようと思ってたん」
「偶然やね~」
☆彡「私、明日入院するの」
「悪いの?」
☆彡「もの凄く悪いのよ