赤子の魔法

白磁の様な白まなこの真ん中で
オニキスのように光る瞳が
まだ見えもしないのに
じっと私を見つめたり

モミジの様なお手々には
身体に不釣り合いな長い指
ちゃーんと関節で曲がるのが不思議なくらい
上手に閉じたり開いたり

長さの足りない腕を
前へ上へクネクネと
手招きでもするように
精一杯伸ばしては引っ込めたり

『あっあっ』『きゅっきゅっ』
『ひくっひくっ』と       
言葉にならない声を
息とともに吐き出し
ときには一瞬で真っ赤になり
大きな口と大きな声で
それでもまだまだ可愛い声で
呪文を唱える

そうやってばーばに
魔法をかけ
思うように
操っ