紙芝居「黄金バット」

子供の頃、午後3時に紙芝居屋がやってくる。豆腐屋のように大きな鈴を鳴らしたように思うが、記憶が薄れている。自転車の荷台に、引き出しのついた箱が載せてあって、1っ銭払うと、上撰飴をくれ、またそれが観劇料だった。だから飴を咥えずに見ている子はただ見だと露見する。演目は「岩見重太郎」とか「黄金バット」とかだが、月光仮面みたいなストーリーだから、テレビが電気紙芝居と言われたのは、単なる悪口ではない。大団円はそのシリーズの終わりを意味するから、いつも危機に陥って、あとは明日のお楽しみで終わる。小癪な紙芝居屋めと、不完全燃焼だが、紙芝居屋が立ち去ると、観客は町ごとの