連載:科学・数学

2045年問題をめぐり

AIの進歩が続いて、いつか人工知能の知性が人間の知性を遥かに凌駕してしまうという特異点問題(2045問題)が、すこしづつ危惧を持って論じられるようになった。カーツワイル氏を始めとして、著名な車椅子の物理学者ホーキング博士も警鐘を鳴らしている。彼らの予測では、半導体の集積度の進展からみて、2045年頃になるだろうということ、そしてそこから先にどのような地獄が待っているのか予想の付かない時代がやって来るという。

これらの論の根拠は、頭脳にあるニューロンの集積度を半導体素子の集積度が上回ってしまうという予測にある。しかし素子数だけで、あるいは集積度だけで知性